犬の飼い方・しつけ方

犬を委縮させてしまう間違えた伝説的しつけ方法

情報掲載日:2010年8月3日

犬を飼ったことのある人なら一度はこんなしつけ方法を聞いたことがあると思います。

代表的な二つ、

「犬をひっくり返して、押さえつけて睨みつける方法」と
「犬の首をつかんで振り回す方法」

この二つは、人が自分の犬に言うことを聞かせるための方法であるという人がいます。この方法を主張している人たちの言い分は、「犬の間でもそのように行われている」というもの。

しかしいくら犬同士がそうしているからといって人間が真似てみたところで限界があります。そもそも、サイズが違いすぎますし・・・人間がクマに首をつかまれて振り回されたらしつけどこではないですよね。



常識的に考えてみればわかりそうですが、そんな不可解なところのある「知恵」がいつまでも犬の飼い主の世界をさまよい続け、ドッグトレーナーの中にもそんなことを信じている人がいるという事実は、いつも私を驚かせます。

「私は数週間前、あるドッグトレーナーの発言のおかげで信じがたい混乱が生じてしまった」というある犬とその飼い主のところにお邪魔しました。そこにはマリノアの雑種がいて、飼い主は、自分が要求しないことをその犬がすると、きまって背中を下にしてその犬を押さえつける・・・そしてまた押さえつける・・・犬は、他の犬をしつけるときにこうやって投げてから押さえつけるから・・・というのが、ドッグトレーナーがその「方法」を推薦したときのわかりやすい説明だったそうです。

残酷そうな飼い主さんに聞こえますが、じつは良かれと思ってやってしまっているところが、かわいそう。犬の飼い主は、初めて犬を飼うことになって、自分の最初の犬(マリノア)にはすべて「正しいこと」をしたいという若い男性だったのですが、彼は「正しくしつける」「プロフェッショナル」な助言を素直に実行したまでだったのです。

いつ犬を首を揺さぶったりするかというと、例えば夕方、その男性がその犬を散歩した後、犬がなかなか家に入らなかった場合。飼い主が発する呼び戻すときの口調は、大きく攻撃的で、いずれにしろ本当の命令調。男性が私にその命令をやって見せたとき、私には、その犬がなぜ戻ってこないのかすぐに理解出来たほど。

私だって、そんな攻撃的な話し方をするような人のところへなど近づかないだろうし、怒っている人をさらに刺激しないように、そばへは寄らないし寄りたくもない。

しかし犬のとったこの、「状況を悪化させないために距離を置く」行為のせいで、その犬は「言うことをきかない」とされてしまったのです。

そして命令に従わなければ従わないほど声が大きくなって行ってしまい、どんどん犬の気持ちは離れていくという悪循環・・・

犬だって、ましてや狼だって、他の仲間を「服従させる」ために逆さまになるように投げ押さえつけるなんてことはしません。いや、犬の国ではそもそも「服従」させられるということはありません。服従ではなく自分から「下」になるという表現のほうが的確かと思います。

つまり犬が、交渉の際、または交渉の前に、自分が下だと気がついたときには、自分が服従するということを態度で示すために背中を下にして仰向けになるというへりくだった振る舞いをします。このような振る舞いは、例えば餌といったリソースをめぐる交渉のときに示されるものです。

既に書いたような人とマリノア雑種犬の間のような状況は、犬同士の間には存在しません。

世界中どこを探したって、仲間を呼びつけておいて、すぐに来なかったからと言って投げを食らわすような犬(人も)はいないでしょう。

首揺すりやひっくり返して押さえつける方法は犬を教育するのには適切ではありません。そんなことをすると犬を不安にし、萎縮させ、「壊して」しまいます。

この古い誤ったしつけの方法がこの世から抹消されることを願います。

もしこのようなしつけ方法を勧められたり、行っている飼い主さんがいたら注意してあげましょう。

「その方法、とっくの昔に間違った方法として認識されていますよ」と。

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ありがとうございます☆
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